2008-09-01

派遣の日雇い

インドネシアで留学するはずが、留学ビザが下りずに渡航できない・・・。w
もともとインドネシアに求めていたものって、大学に行ってインドネシア語を勉強することではなくて、もっと根本的なこと。参ったなー。

インドネシアでしたいのは、現地のインドネシア人や各地で会う人たちの毎日の暮らしを見て、毎日何を思って生きているのかも話したりすること。
ケニア人と話して思うことは、言語やバックグラウンドが違いすぎてとても簡単に意思疎通なんてできるもんじゃないってことだったから、今回は時間をかけてゆっくり話せればいいなーと思っていた。

まーそんな感じだから僕はインドネシアの大学には正直言ってあまり用はない。
もちろん、いくらかコネクションを作る手助けになると思うし、色んな友達ができると思うのでそこは楽しみなのだけれど、勉学においてはあんまり必要としていないのが正直なところっす。

でもビザが下りないのでは仕方ないので、渡航費を稼ぐために短期のバイトを始めることにした。
もともと、「日雇い」や「派遣」といった種類の仕事には興味があった。もちろん自分がそんな仕事につきたいと思ったのではなく、世間で言われるような酷い就労状況がいかなるものか興味本位だった。

今も続けているのだが、まぁその労働状況の酷さったらハンパない。
ある建設系現場向けの派遣会社に登録したのだが、登録の時点で労働組合に入らないことを誓約させられる。また入るには初期費用+年間費で2万円くらいとられる。
建設現場というと事故などの危険が付き纏うイメージがあるが、万が一の際にも保険がきく保証があるのかはわからないが、一応、口頭で怪我した際は派遣会社が加入している保険会社が治療費を負担するといっている。また死亡などの保険はもちろんなく、これでは家族を持つとなると厳しそうだ。

事実、働いている人は殆どが独身の25~35くらいの男性だった。(たまにおじいちゃんもいる)
皆、高校中退や定時制の人が多かった。怖そうな人もいたが、基本的に皆良い人で仕事もきっちりこなす人が多かった。
こういった日雇いの人たちが家庭的に恵まれていたかいなかったのかはわからないが、一人の人と仲良くなって話を聞いたら、親も大工でアパート暮らし。塾や勉強とは無縁だったという。
また、美容師を止めるところで最後に有給を使って休んでいるのだが暇だったからやってみた、みたいな人もいた。

まず前日に仕事が入るかわかるのだが、日雇いのため入らない場合もある。
予定時間が9時~17時と言われていたのに、25時まで働かされたときもあった。終電がなくなってトラックで送ってもらった。

もちろん、日雇いのいいところもある。
例えば、体調を崩しても前日の仕事の連絡を断れば休めるし、サービス残業はなく働いた分だけ割り増しの残業代も手に入る。

そういう意味で、こういう仕事形態の方がむいていると思う人もいるのだろう。

たぶん問題は、好きでもないのにこういった労働形態に甘んじなければならない状況が発生してしまうことだろう。
派遣で働いていて会った人の中で誰一人としてこの労働形態が好きでやってるひとはいなかった。皆、正規の技術者になりたいと思って働いていた。努力が足りずにこうした不安定な仕事になってしまうのだから仕方ないと思う人もいるかもしれないが、僕にはそれだけとは思えなかった。親の職種や労働形態や家族の生活状況が学歴に多大な影響を及ぼす時代だ。

金持ちが強くて貧乏が弱い。それはそれでいい。でもそれが固定化しちゃう世の中はきっと楽しくなんかないと改めて思う。

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