2009-04-26

本紹介

最近読んでいた本で、とても良かったのでご紹介。

『人間の大地』(上下) プラムディヤ・アナンタ・トゥール著

大学の研究室にあったのを2年以上借り続けた上、自宅に埋まっていたという本。苦笑
本の概要はアマゾンのレビューに任せるとして、時代背景を考えて読むと、とても強烈だ。

舞台はオランダ植民地下のインドネシアで、ヨーロッパ傾倒のインドネシア政治社会の中でもがく主人公を追いながら、「本当に正しいもの」というものを読者に見つめさせていく。
今はどうなってるのかわからないが、インドネシアでは発禁処分まで受けている著作であり、それがこの本の力を物語っている。

帝国主義は終わったが社会の構造自体は何も変わらない現代社会において、「金持ちの暴挙」を断罪するこの著作の強い問いかけはまだまだ過去の遺産とはなっていない。

ちなみにサンテグジュペリにも同名の著書があるけど、どうやらプラムディヤは彼の著作に影響を受けて同名の著作を書いたらしい。

明日研究室に返しに行かなきゃ。笑

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