2009-01-18

アチェでの宗教

2009年1月13日

アチェはインドネシアでも特にイスラム色の強い州として知られている。法律はシャリーア法があり、女性はジルバブ(頭にかぶる布)の着用が義務付けられている。男女の関係には特に神経質で、恋人になる=結婚する、という方程式は人々の通念とともにシャリーア法により補強されほぼ成立している。ジャワのイスラム教徒とは違い、お祈りは毎日5回必ず行っているようにみえる。アラビア語の習得もかなり重要らしく、アチェ人のほとんどがアラビア語を読める。驚いたのは男女の接触に関してだ。一応法律では、未婚の男女が一つの密室にいることは禁じられている。僕は今、孤児院と併設されているアパートに住んでいるのだけれど、小学校低学年くらいの女の子が膝の上にのってきただけで大人が制止しようとする。そこまでしなくても・・・と思いがちだが、彼らの目は本気だ。一方でやはりここアチェでも信教感覚に差がある感じも受けた。強制されたくないとか単純にむさ苦しいからとジルバブをかぶらない女性もいたし、若い男の目下の目当ては女の子だから普通に近づく奴もいたりする。礼拝をしない男もいるし、子供はわりと礼拝が面倒くさそうだ。とはいってもここはやはり中東の庭。ジャワとは比べ物にならないほどイスラムを感じる。若者の聞く音楽もインドや中東(それらの音楽をちゃんと聞いたことあんまりないけど)のそれに近いものを感じる。ジャワはラルクや宇多田ヒカルが時々聞こえてきたりJポップ的な匂いが結構するけど、ここはそれとはまるっきり違う。同じインドネシア国内の音楽よりも違う音楽が普及しているのってなんだか不思議だ。

ここに来る前にジャワ島にいたが、生活は現代化されジルバブを着用している女性も多くなかった(他の宗教の教徒がアチェに比べて多いというのもある)。酒を飲んだりするのは公には控えられるが、僕の周りの大学生の多くが飲んでいた。豚も食べる奴がいたほどだ。そんな彼らは、アチェについてはやっぱりイスラム教色が強いイメージがあるらしく、「女と二人で歩いたら即逮捕だから気をつけろよ」(そこまで厳しくない)とか、厳粛にイスラム教を体現している地域といったようなイメージをもっているようだ。

そんなアチェでもわりと僕らに近い感覚もある。例えばアチェ人はインドネシア国内でも肌の黒い部類の民族になるが、それに関してはジャワや日本人と同じように劣等感とまではいかなくても白くなりたいと思う人が多いようだ。「俺は黒いから彼女とは付き合えないよ」とか「私は黒いからだめね」といった発言を結構聞く。結婚式では女性はオシロイみたいなもので真っ白な顔になる。また大体ウケる男女関係ネタについても、同姓のみの場ならば結構通用する。例えば男だけなら写真をみて誰がかわいいとか浜辺に行ってナンパしようとかで大抵大騒ぎだし、女だけなら(俺男だけど)インドネシアでの愛人事情とか彼氏に連れて行って欲しいデートスポットとか。「明日から私の愛人ね」と言ってくるおばちゃんもいる。この辺は人類共通だ。

余談だが、これはインドネシアで共通かもしれないがほぼ全ての国民がアメリカやイスラエルに対しては反感を持っているようだ(オバマは別)。最近のイスラエルの空爆は、格好の反感を募らせる的になっているように感じる。アメリカに対しても今日9.11関連(アメリカ側の視点で乗客の勇気を称えたもの)のDVDを買って来て友達と観たのだが、悲劇的なシーンでも結構な笑いっぷり(悲劇的なシーンを作り出そうとしている映画の作りに笑っている)。自分としては飛行機に乗る機会も時々あるので、ハイジャックこえぇーと思いながら観てたのだがそれも彼らの笑い声でつぶされこっちも笑っちゃった。外国人と何か映画をみると見方がまるで違ったりするからそれはそれで面白い。けれど、もし自分がアメリカ人だったら笑ってんじゃねーよ的な発言をするんだろーなとも思う。自分が結構無垢に信じていたりするものを他人に笑われたり傷つけられたりすると結構傷つくんだろーなとふと感じた。

以上。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

4年前までアチェのロスマウエに7年いたけど、この話チト?。