2009-01-18

「Lakaspia InstituteのSahranさんインタビュー」

「Lakaspia InstituteのSahranさんインタビュー」

u Lakaspiaについて
正直まだ良く知らない。
一応、アチェの研究機関、ということは聞いているが、実際にどんなことをやっているのかは下記Sahranさんの活動のみ。

u Early Warning System
・ システムの大まかな内容
このシステムはアチェ内の約10ほどの組織(NGO)が作った紛争再発を防止するための警戒予告システム。紛争誘発する報告書を県長など各地域のリーダー的存在に提出する。

・ 2007年~から始動
・ 報告書提出までの流れ
1. この活動に参加する各NGOのメンバーが、それぞれの活動に基づいて現在のアチェ内における紛争を誘発するような活動を察知する。
2. 研究所にて分析、報告書にまとめる。
3. アチェ州内の県長やその他、各地域のリーダーに提出。

・ その他質疑応答
Nakai:この活動を通して、紛争を予防することができると思いますか?
Sahran:思わない。私たちNGOの力など政治を動かすには微力にすぎない。ただ私は自分ができることをしているだけだ。

u Potensi Konflik dalam process Pemilu2009
(総選挙プロセスに潜在する紛争を誘発する事実)
・ 再復興プログラム
アチェ再建復興庁(BRR、BRA)は汚職などにより一部の新富裕層を作るにすぎないまま。
未だ無職の元兵士などがおり、彼らが盗みや脅しにより社会を不安定化させている。

・ TNI(インドネシア国軍)のアチェ駐在
総選挙にあわせて「治安維持」と称して国軍がアチェに駐在する予定。
本来なら治安維持は警察の任務であるが、ジャカルタ政府は国軍を派遣。

・ 地方政党(Local Party)
元兵士が突然武器を捨てて政治家になり、総選挙に立候補する。
元々教育もまともに受けていないために、民主主義が何かもよくわかっていない。一部では「自分たちの領土」などを決め、他党の旗や関与を一切追い払うなどの事件が起きている。

・ 総選挙プロセス、選挙方法の未浸透
アチェ農村部では未だ選挙がいつあるのか知らなかったり、選挙方法の変更(「Pemilu2009に備えるNGO会合に参加して」参照)を知らなかったりする。言われるままに投票をしたりすることもありうる。

u 紛争再発を防止するには何が必要か。
・ TNI(国軍)が警察の業務に介入しないこと。
・ アチェ選挙管理委員会のメンバーはたった3人。しかも皆民間からで選挙管理の経験も勉強もない。ジャカルタの選挙管理委員会本部の工作だ。
・ インドネシア大統領がメガワティや国軍幹部などのナショナリストに代わらないこと。

u 兵器はどこから?
3つの可能性。
・ TNI(国軍)がGAM(FREE ACEH MOVEMENT)に渡している。
・ 2003年までの残りがある可能性
・ 海外(ベトナム、ミャンマーなど)からの輸入。

また、“Indonesia:Pre-Election Anxiety”(Asia Briefing No81, 9/sep/08,International Crisis Group)という報告書には、GAMの党であるアチェ党が多額の企業・個人献金を受け取っていることが記されている。これらの金が紛争誘発を助長する可能性もある。

u 今後の展開予想
Nakai:選挙は「成功」するとおもいますか?
Sahran:五分五分。私は他の研究者よりも楽観的だ。というのも歴史的にはアチェでの戦争は20年から30年に一度の割合で起きている。したがって私はあまり選挙が失敗して紛争再発の可能性は少ないと思っている。
また、多くの人々は平和による恩恵を多く受け取っている。今更また戦争には戻りたくないだろう。しかし、東アチェ県や北アチェ県では未だに60パーセントが貧困に苦しんでいる。これらの人々に向けては早期の対応が必要だ。
また多くの人々がクアラルンプールに行って遊ぶ。(注:マレーシアはイスラム国家であり飛行機で一時間、数千円でいけることもあり、シャリーア法を実践するアチェ人としてはアチェ隣の州都メダンよりももっと身近だ。紛争中避難民もたくさんマレーシアへ逃げた。)

以上。地方政党のメンバーに話しを聞きたい。

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